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精密加工品

黄銅(真鍮)と青銅(砲金)の違いとは?特徴と用途を分かりやすく比較

黄銅 青銅

黄銅と青銅は、どちらも銅を主成分とする合金ですが、混ぜ合わせる金属の種類によってその特徴や用途が大きく異なります。
黄銅は加工性に優れ、青銅は強度や耐食性が高いという違いがあります。

この記事では、黄銅(真鍮)と青銅の基本的な違いから、それぞれの詳しい特徴、具体的な用途、そして簡単な見分け方までを分かりやすく比較解説します。

黄銅(真鍮)と青銅の基本|どちらも銅が主成分の合金


黄銅(真鍮)と青銅は、見た目や性質が異なりますが、どちらも銅を主成分とする銅合金という共通点を持っています。
これらの合金は、純粋な銅に別の金属を添加することで、銅単体では得られない優れた特性を引き出しています。

添加する金属の成分が黄銅と青銅の根本的な違いを生み出しており、それがそれぞれの用途を決定づける要因となっています。

黄銅(真鍮)とは銅と亜鉛を混ぜ合わせた合金

黄銅は、銅と亜鉛を主成分とする合金であり、一般的に「真鍮(しんちゅう)」という名称で広く知られています。
亜鉛の含有率によってその性質は変化し、亜鉛が20%以上のものが実用的に使われることが多いです。
亜鉛の割合が増すほど色は黄色みを帯びていき、硬度も高まりますが、同時にもろくなる傾向があります。

展延性(薄く延ばされる性質)や切削性に優れており、複雑な形状の部品でも加工しやすいのが大きな特徴です。
この加工のしやすさと、美しい黄金色の輝きから、装飾品や楽器、工業製品まで多岐にわたる分野で活用されています。

青銅とは銅と錫(すず)を混ぜ合わせた合金

青銅は、銅と錫を主成分とする合金で、「砲金(ほうきん)」とも呼ばれます。

錫のほかにも、強度や耐摩耗性をさらに向上させるために、亜鉛や鉛、あるいはりんといった元素が添加されることもあります。特に、りんを添加したりん青銅は、ばね性に優れる特性を持つため、電子部品のコネクタなどに利用されます。

青銅は黄銅と比較して硬度が高く、耐摩耗性や耐食性にも優れているのが特徴です。また、鋳造しやすいため、古くから大仏や梵鐘などの鋳造品に用いられてきました。その耐久性の高さから、現代でも機械部品やバルブなどに広く使用されています。

一目でわかる!黄銅(真鍮)と青銅(砲金)の4つの大きな違い

黄銅と青銅は、どちらも銅合金でありながら多くの点で異なります。
両者を区別する上で特に重要なのが、添加される金属元素、見た目の色合い、硬度と加工性、そして錆びにくさ(耐食性)という4つのポイントです。
これらの違いを理解することで、それぞれの金属が持つ個性や、なぜ特定の用途に適しているのかが明確になります。

ここでは、この4つの観点から両者の違いを詳しく比較していきます。

違い① 添加されている主要な金属元素

黄銅と青銅の最も根本的な違いは、銅に添加される主要な金属元素にあります。
黄銅は銅に亜鉛を加えて作られる合金です。
一方、青銅は銅に錫を主として加えます。
この添加元素の違いが、以降で説明する色合いや機械的性質、耐食性など、あらゆる特性の差を生み出す根源となっています。

銅合金には他にも、銅とニッケルからなる白銅や、純度の高い軟銅、金を加えた赤銅など様々な種類が存在します。
鉄を主成分とするステンレスなどとは異なり、銅をベースに何を混ぜるかで合金の性格が決定づけられます。

違い② 見た目の色合い(黄金色か赤褐色か)

見た目の色は、黄銅と青銅を見分ける上で最も分かりやすい指標です。
黄銅は亜鉛の含有率が高まるにつれて黄色みが強くなり、光沢のある美しい黄金色を呈します。
5円玉の輝きをイメージすると分かりやすいかもしれません。

それに対して、青銅は錫の影響で赤みがかった褐色、いわゆる赤褐色をしています。
これは10円玉の色に近いものです。
どちらの金属も時間経過や環境によって酸化し、表面の色が変色して深みを増しますが、元々の色合いに明確な違いがあるため、外観から判別することが可能です。

違い③ 硬度と加工のしやすさ

硬さや強度、加工のしやすさにも明確な違いがあります。
一般的に、青銅は黄銅よりも硬度が高く、強度や耐摩耗性に優れています。
このため、強い力がかかったり、摩耗したりするような過酷な環境で使われる部品に適しています。

一方、黄銅は青銅に比べて柔らかく、延ばしたり曲げたりといった加工がしやすいのが特徴です。
切削性も良いため、精密な加工を要する部品の製造にも向いています。
融点については、合金の配合によって異なりますが、一般的には青銅の方がやや高い傾向にあります。

違い④ 錆びにくさ(耐食性)の比較

耐食性、つまり錆びにくさにおいても両者には差が見られます。
黄銅と青銅はどちらも銅を主成分とするため、鉄系の金属に比べて優れた耐食性を持ちますが、両者を比較すると一般的には青銅の方がより高い耐食性を誇ります。

特に海水に対する耐性が高いため、船舶関連の部品やバルブなどに多用されます。
黄銅も良好な耐食性を持ちますが、「脱亜鉛腐食」と呼ばれる、特定の環境下で亜鉛だけが選択的に腐食してしまう現象が起こることがあり、使用環境によっては注意が必要です。

加工性に優れる黄銅(真鍮)の詳しい特徴


黄銅(真鍮)の最大の特徴は、その優れた加工性にあります。
切削やプレス、曲げ加工などが容易で、複雑な形状の製品を効率良く製造できるため、工業製品から日用品まで幅広く利用されています。

また、電気伝導率や熱伝導率が良好であることも重要な特性の一つです。
ここでは、そんな黄銅が持つ具体的なメリットと、使用する上で知っておくべき注意点について掘り下げていきます。

黄銅(真鍮)が持つメリット

黄銅の主なメリットは、その卓越した加工性です。金属の切削、曲げ、延伸などの加工が容易なため、精密な部品や複雑な形状の製品を効率的に生産できます。また、黄金色の美しい外観は装飾的な価値が高く、アクセサリー、仏具、インテリア用品などにも適しています。

電気伝導性も良好なため、コネクタやスイッチの端子といった電子部品の材料としても重要です。

黄銅(真鍮)を使用する際の注意点

黄銅を使用する際には、いくつかの注意点が存在します。
その一つが「脱亜鉛腐食」です。
水気に触れる環境下、特に温水中などで使用すると、合金に含まれる亜鉛が選択的に溶け出し、材質がもろくなってしまうことがあります。

また、アンモニアを含む雰囲気中で応力がかかると、ひび割れ(応力腐食割れ)を起こしやすい性質も持っています。
さらに、酸性の液体に弱く、接触すると変色や腐食が進む可能性があるため、薬品を取り扱うような環境での使用には適していません。
これらの弱点を理解し、使用環境を考慮することが求められます。

強度と耐食性に優れる青銅(砲金)の詳しい特徴


青銅は、一般的に黄銅と比較して強度と耐食性に優れているという特徴があります。

ただし、硬度に関しては黄銅の種類によっては青銅よりも高い場合があり、それぞれの合金の組成によって特性は大きく異なります。

例えば、亜鉛の割合が高い黄銅は強度や耐食性が向上することがあります。黄銅は加工しやすい特性を持つ一方で、青銅は強度や耐久性が求められる部品での使用に適しています。

このため、青銅は部品同士が擦れ合う機械の内部や、海水のような腐食性の高い環境など、より過酷な条件下での使用に適しています。摩耗や化学変化に対する強い抵抗力は、青銅が持つ大きなアドバンテージと言えるでしょう。

ここでは、青銅ならではのメリットと、その一方で考慮すべき注意点について詳しく解説します。

青銅(砲金)が持つメリット

青銅のメリットは、その優れた機械的性質と化学的安定性にあります。
まず、硬度が高く耐摩耗性に優れているため、歯車や軸受など、部品同士が摺動する部分の材料として最適です。
また、非常に高い耐食性を持ち、特に海水による腐食に強いことから、船舶のスクリューやバルブ、ポンプ部品などに広く採用されています。

鋳造性にも優れており、溶かした金属を型に流し込んで複雑な形状の製品を作りやすい点も大きな利点です。
この特性を活かし、古くから美術工芸品にも用いられてきました。
電気的な接続部品としても利用されます。

青銅(砲金)を使用する際の注意点

青銅を使用する上での注意点として、まず黄銅に比べて加工性が劣ることが挙げられます。硬度が高いため、切削やプレスといった加工は黄銅ほど容易ではありません。

そのため、複雑な形状を加工で作り出す場合には、コストや手間が増加する可能性があります。また、主成分の一つである錫は亜鉛よりも高価な金属であるため、材料自体のコストが黄銅よりも高くなる傾向にあります。重量も黄銅より若干重いため、製品の軽量化が求められる用途には不向きな場合があります。これらの点を考慮した上で、適切な材料選定を行う必要があります。

【具体例】黄銅(真鍮)と青銅はそれぞれ何に使われる?

黄銅と青銅は、それぞれの特性を活かして多種多様な製品に利用されています。
加工性に優れる黄銅は身近な日用品や楽器に、強度と耐食性に優れる青銅は過酷な環境下で使われる機械部品や建造物にと、その使い分けは明確です。

ここでは、私たちの生活に身近な硬貨から専門的な工業製品まで、具体的な用途例を挙げて、両者の使われ方の違いを紹介します。

黄銅(真鍮)の主な用途(5円玉・楽器・水回りの部品など)

黄銅の用途は非常に幅広く、私たちの身の回りで数多く見つけることができます。
最も身近な例の一つが、日本の硬貨である5円玉です。
その美しい黄金色は、黄銅ならではのものです。
また、優れた加工性と音響特性から、トランペットやサクソフォーンといった金管楽器の材料として欠かせません。

家庭では、水道の蛇口や給水管の継手といった水回りの部品に多用されています。
これは、加工しやすく、かつ適度な耐食性を備えているためです。
その他にも、仏具やアクセサリー、ボルトやナット、電気製品の配線器具など、その用途は多岐にわたります。

青銅(砲金)の主な用途(10円玉・美術品・機械の歯車など)

青銅の用途は、その高い耐久性と重厚な風格を活かしたものが中心です。
身近な例では10円玉が青銅で作られています。
歴史的には、奈良の大仏のような巨大な銅像や、寺院の梵鐘など、長期間その姿を保つ必要がある美術品や建造物に古くから使用されてきました。

工業分野においては、その優れた耐摩耗性と強度から、機械の歯車や軸受、ウォームギアといった動力伝達部品に不可欠な材料です。
また、海水に対する強い耐食性を活かして、船舶のスクリュープロペラやバルブ、ポンプの部品など、海洋環境で使われる製品にも広く採用されています。

黄銅(真鍮)と青銅(砲金)を簡単に見分ける方法


専門的な分析機器がなくても、黄銅と青銅をある程度見分けることは可能です。
両者の違いを理解していれば、いくつかのポイントに注目するだけで、どちらの金属であるかを推測できます。

主な見分け方として、最も分かりやすい「色の違い」と、製品がどのような目的で使われているかという「用途」から判断する方法があります。
ここでは、これらの簡単な見分け方について具体的に解説します。

方法1:色の違いを観察して判断する

最も簡単で直感的な見分け方が金属の色を観察することです。黄銅は亜鉛を含むため黄色みが強く光沢のある黄金色をしています。新品の5円玉をイメージするとその色合いがよく分かります。

一方青銅は錫を含むため赤みがかっており赤褐色や茶褐色に近い色をしています。これは使い込まれた10円玉の色が参考になります。ただし表面が酸化して変色していると判断がつきにくい場合もあります。その際は可能であれば表面を少し磨いたり傷がついている部分の断面を見たりすると本来の色が確認しやすくなります。

方法2:製品の使われ方から推測する

製品の用途から材質を推測することも有効な見分け方です。
例えば、トランペットのような金管楽器、きらびやかな装飾品、水道の蛇口など、複雑な形状への加工や美しい外観が求められる製品は、加工性に優れる黄銅で作られている可能性が高いです。

一方で、銅像やモニュメント、機械の歯車や船舶のスクリューなど、高い強度や耐摩耗性、耐食性が要求される過酷な環境で使われるものは、耐久性の高い青銅であると考えられます。
その製品が持つ役割や置かれている環境を考慮することで、材質を絞り込むことができます。

まとめ

黄銅(真鍮)と青銅(砲金)は、共に銅を主成分としながらも、添加される金属元素によって異なる特性を持つ合金です。
黄銅は銅と亜鉛の合金で、優れた加工性と美しい黄金色が特徴であり、楽器や水回りの部品などに使用されます。

一方、青銅は銅と錫の合金で、高い強度、耐摩耗性、耐食性を持ち、歯車やバルブ、美術品などに用いられます。
両者は色合い(黄銅は黄金色、青銅は赤褐色)や主な用途から見分けることが可能です。
これらの違いを理解することは、金属材料の適切な選定や製品知識を深める上で役立ちます。

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