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DIN規格ネジとは?JISとの違い・代表規格・表記の読み方をわかりやすく解説

本記事では、ドイツ工業規格「DIN規格」のネジについて、JISとの違い・代表的な規格番号・図面やカタログの表記の読み方を実務目線で解説します。

海外メーカーやEU圏の部品を扱う場面ではDIN指定が頻出します。調達・設計・品質確認の基礎知識としてご活用ください。

DIN規格とは?ISO・JISとの関係

  • DIN(Deutsches Institut für Normung)はドイツ工業規格。EU圏を中心に歴史的に普及。
  • 現在は国際規格の整備が進み、DIN EN ISO 〇〇としてISOへ整合した品目も多数。
  • 日本国内ではJISがベースですが、海外調達・輸出製品ではDIN/ISO指定が一般的。

ポイント: 同じ用途のボルトでも、呼びや寸法許容差・頭部形状の細部が規格により異なる場合があります。代替可否は図面要件(寸法・強度・表面処理・耐食性)で判断しましょう。

代表的なDIN規格ネジ(例)

実務で目にすることが多いDIN番号を、用途の目安とともに一覧化しました。ISO整合があるものは参考として併記します(現場での呼称や仕様はメーカーにより差があります)。

規格番号(DIN)名称・用途の目安ISO整合の例(参考)
DIN 933六角ボルト(全ねじ)ISO 4017
DIN 931六角ボルト(半ねじ)ISO 4014
DIN 912六角穴付きボルト(キャップスクリュー)ISO 4762
DIN 7991六角穴付き皿ボルトISO 10642
DIN 934六角ナットISO 4032 など
DIN 985ナイロンナット(ゆるみ止め)ISO 10511 など
DIN 125平座金(ワッシャー)ISO 7089/7090
DIN 127スプリングワッシャー(ISO整合の型番は用途で複数)

このほか、タッピンねじ(DIN 7981/7982 など)や止めねじ(DIN 913/914/915/916)といった品種も広く用いられています。

JISとの違いで注意すべきポイント

  1. 寸法公差・座面形状:頭部高さや二面幅、公差等級がわずかに異なるケースあり。
  2. ねじ山・ピッチ:メートルねじ(M)は同じでも、細目系の設定や選択肢が違うことがあります。
  3. 強度区分の表記:鋼ボルトは「8.8 / 10.9 / 12.9」等(国際共通)。ステンレスは「A2-70」「A4-80」等。
  4. 表面処理記号:亜鉛めっき(Zn)、黒色酸化(黒染め)、溶融亜鉛、ニッケル等。記号や略号はメーカー表記を確認。

図面やカタログの表記を読み解く

例:M8×25 DIN 912 – 12.9 – Zn

  • M8×25:呼び径8mm、ねじ長さ25mm
  • DIN 912:六角穴付きボルト規格
  • 12.9:強度区分(引張強度・降伏比の目安)
  • Zn:表面処理(電気亜鉛めっき)

コツ: 図面指定が「DIN EN ISO 4762」のようにISOへ切替済みの場合もあります。購入時は最新の規格版・寸法表で確認しましょう。

材質・強度区分の早見

  • 炭素鋼・合金鋼:4.8 / 8.8 / 10.9 / 12.9 など(高強度ほど締付けトルク・座面管理が重要)。
  • ステンレス:A2(SUS304相当)・A4(SUS316相当)/A2-70, A4-80 など。
  • 表面処理:Zn、黒染め、ニッケル、溶融亜鉛、DAC系等。防錆・導通・外観要件で選定。

代替・相当品選定のチェックリスト

  • 規格番号(DIN / DIN EN ISO)と版番号を確認
  • 呼び・ピッチ・長さ・ねじ部長さ(全ねじ/半ねじ)
  • 頭部形状(六角・六角穴・皿・ボタン等)と座面の有無
  • 強度区分・材質・表面処理
  • 環境条件(温度・腐食・電食・洗浄薬)
  • トルク・座面硬度・ワッシャ組合せ・相手材

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よくある質問(FAQ)

Q1. DIN指定をJISに置き換えて発注しても大丈夫?

A. 形状・寸法・公差が一致しない場合があり、機能不具合のリスクがあります。図面要件に対する適合性評価を行い、代替可否を確認してください。

Q2. DINとISOが両方記載されているのはなぜ?

A. 規格の国際整合により、DIN EN ISOとして運用される品目があります。最新版の寸法表を確認すれば混乱を避けられます。

Q3. どの強度区分を選べばよい?

A. 設計の締付け荷重・安全率・相手材で決まります。一般機械では8.8、重荷重・高強度用途では10.9/12.9が用いられます。ステンレスはA2-70等が一般的です。

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