精密加工品
アルミ加工で注意すべきこと

アルミニウムはその軽さと加工のしやすさから、多くの現場で「扱いやすい素材」として知られています。
しかし実際には、柔らかく粘りがあるために切削条件がシビアだったり、熱による変形や溶着など独特のトラブルが起こりやすい“クセ者”でもあります。
見た目の印象とは裏腹に、精度を求める加工では繊細な管理が必要な金属なのです。
本記事では、そんなアルミ加工において注意すべきポイントや材質ごとの違い、加工トラブルを防ぐための対策について詳しく解説していきます。
アルミの特徴を理解する
アルミニウムは軽量・耐食性・熱伝導性に優れた素材であり、自動車、航空機、電子機器など幅広い分野で使用されています。
しかし、加工性が良い=簡単に加工できるというわけではありません。
アルミには柔らかく、粘りがあるという特性があり、これが切削や穴あけ、タップ加工などで思わぬトラブルを引き起こすことがあります。
切削加工での注意点

● バリ(切りくず)の発生
アルミは粘りがあるため、切削時にバリが出やすいです。
特にドリル穴の出口やエッジ部にバリが残ると、後工程で不良の原因になります。
➡ 対策:切削条件(回転数・送り)を最適化し、刃先の鋭い工具を使用しましょう。
● 溶着(ビルドアップエッジ)
切削中にアルミが工具にくっつく(溶着)現象が起きやすいです。
これにより表面が荒れる・寸法がずれるなどの問題が発生します。
➡ 対策:アルミ専用のコーティング工具や切削油を適切に使用して、摩擦と熱を抑えることが重要です。
加工条件の最適化
アルミは鉄やステンレスに比べて熱伝導率が高く、熱変形しやすい金属です。
長時間の連続加工では、ワークが膨張して寸法精度に影響することもあります。
➡ 対策
- 切削熱を抑える**クーラント(冷却剤)**の使用
- 加工後の常温戻し(冷却後の寸法確認)
- 必要に応じた治具設計の工夫
これらを徹底することで、安定した寸法精度を確保できます。
材質ごとの違いを意識する

一口に「アルミ」と言っても、A5052(アルミ合金)やA6061など種類によって特性が異なります。
例えば…
- A5052:柔らかく曲げ加工に向くが、切削時に溶着しやすい
- A6061:強度が高く、切削性も良好で機械部品向き
加工前に材質を把握し、適した工具・条件を選定することが非常に大切です。
仕上げ・外観処理での注意
アルミは表面が美しい反面、傷や汚れがつきやすい金属です。
特に外観部品では、わずかな工具跡や擦り傷もクレームにつながる場合があります。
➡ 対策
- クランプ痕を防ぐ治具設計
- 研磨・アルマイト処理前の洗浄管理
- 加工後は手袋着用での取り扱い
まとめ:アルミ加工は「繊細さ」がカギ
アルミ加工は一見やさしく見えて、実は非常に繊細な条件管理が必要な加工です。
「軽くて柔らかい金属だからこそ、丁寧な対応が必要」――これがアルミ加工の本質です。
適切な工具選定・切削条件・治具設計を徹底し、高品質な仕上がりを目指しましょう。
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