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精密加工品

放電加工



「放電加工」とは、金属など電気を通す素材(導体)に対して、機械的な刃物で削るのではなく、 電気放電による熱エネルギーを使って材料を除去していく加工技術です。

一般に「EDM(Electrical Discharge Machining)」とも呼ばれます。

特徴・仕組み

  1. 加工対象(ワーク)と電極の間を絶縁性の加工液(例:脱イオン水、油系液)に沈めます。
  2. ワーク側および電極側に電圧を印加し、数ミクロン〜数十ミクロンの隙間で放電が発生します。
  3. 放電による局所的な高温(数千℃~6000℃以上)で、ワークの表面が「溶融」「蒸発」して除去されます。
  4. これを1秒間に何千〜何万回も繰り返し、複雑形状や高硬度材を加工します。
  5. 電極とワークが非接触のため、切削力・工具摩耗・振動が少ないという利点があります。

主な種類

  • ワイヤー放電加工(ワイヤーカットEDM):細いワイヤー電極で切断する方式。精密輪郭加工に最適
  • 形彫り放電加工(型彫りEDM):成形電極を使って形状を転写する方式。金型などに多用
  • 細穴放電加工:棒状電極でドリル困難な微細・深穴を加工。冷却穴やノズルに使用

メリット

  • 硬度に関係なく、超硬合金・焼入れ鋼・チタンなども加工可能
  • 非接触加工のため、変形や破損リスクが少ない
  • 複雑な内部形状やアンダーカット、深溝加工が可能
  • 高精度・高再現性を実現しやすい

デメリット・留意点

  • 導電性材料に限定され、樹脂・ガラス・セラミックスなどは加工不可
  • 加工速度が遅く、大量除去には不向き
  • 電極の消耗・加工液管理・コストが高め
  • 放電による表面への熱影響や微細クラックが発生する場合があり、後処理が必要

主な用途

  • プレス金型・射出成形金型などの複雑形状加工
  • 航空・自動車・精密機械分野の難削材・高硬度材加工
  • 電子部品・医療機器など高精度が求められる部品加工
  • 切削困難な深穴・アンダーカット形状などの特殊加工

他の加工方法との比較

  • 切削加工:刃物で削る方式。硬質材は困難
  • 研削加工:砥粒で削る方式。摩耗や応力の影響あり
  • レーザー加工:光エネルギーで溶融させる方式。材質や反射率の制約あり

利用時のポイント

  • ワークが導電性であるか確認する
  • 加工量・速度のバランスを検討
  • 複雑形状・高硬度材には放電加工が有利
  • 電極・液管理・設備コストも考慮
  • 加工後の表面処理・仕上げも視野に入れる

放電加工は、非接触で精密かつ高硬度材にも対応できる優れた加工法です。
金型や精密部品製作などで、高精度・高品質な結果を求める際に有効です。


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