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ボルトのピッチ規格表|ねじの測り方、並目・細目の見分け方

ボルトやネジを扱う際に重要となる「ピッチ」について、規格をまとめた表や正確な測り方、種類ごとの違いを解説します。

手元にあるねじのピッチが分からず困っている場合、この記事を読めば規格を特定し、適合するナットや部品を見つけるための知識が得られます。
正しいピッチの理解は、確実な締結作業の第一歩です。

ボルトのピッチとは?ねじ山の基本をわかりやすく解説


ボルトのピッチとは、隣り合うねじ山の頂点から頂点までの距離(間隔)を意味します。
ネジのらせん部分にあるギザギザした山の一つの幅を示す寸法で、単位はミリメートル(mm)で表されます。
例えば「ピッチ1.25mm」とは、ねじ山と山の間の距離が1.25mmであることを示します。

ボルトの太さを示す「呼び径(外径)」とは別の寸法であり、同じ径のボルトでもピッチが異なる種類が存在するため、正確に適合させるには両方の数値を把握する必要があります。

【サイズ別】ボルトのピッチ規格一覧表(メートルねじ)

日本国内で最も標準的に流通しているねじは「メートルねじ」であり、その寸法はJIS規格によって定められています
ボルトのピッチは、呼び径ごとに基準となる数値が決められており、大別して「並目」と「細目」の2種類が存在します。
以下に、それぞれの種類ごとのピッチを一覧で紹介します。

特別な指定がない限り、一般的には並目ねじが使用されます。

一般的に流通している「並目ねじ」のピッチ一覧

並目ねじは、最も一般的で広く流通している標準的なピッチのねじです。
特別な用途でなければ、通常はこちらが使われます。
ホームセンターなどで販売されているボルトも、ほとんどが並目です。

代表的なサイズでは、M8のピッチは1.25mm、M10は1.5mm、M12は1.75mm、M16は2.0mm、M20は2.5mmと定められています。
ねじの選定で迷った場合や、特に指定がない場合は、まず並目ねじの規格を確認するのが基本となります。

精密機器などに使われる「細目ねじ」のピッチ一覧

細目ねじは、並目ねじよりもピッチが細かく設定されているねじです。
ピッチが細かいことで緩み止めの効果が高まるほか、微調整が必要な箇所や、薄い部材を締結する際に用いられます。
同じ呼び径でも複数のピッチが存在する場合があり、例えばM10では1.25mm、1.0mm、0.75mmといった種類があります。

最小クラスではM5で0.5mmのピッチなども存在し、精密機器や自動車部品、航空機関連などで使用されることが多いのが特徴です。

手元のボルトのピッチを正確に測定する3つの方法


手元にあるボルトの規格が不明な場合、正確なピッチを測定する必要があります。
呼び径が同じでもピッチが異なる場合があるため、思い込みで判断するのは危険です。
ここでは、専用の工具を使う確実な方法から、道具がない場合でも実践できる簡易的な方法まで、ピッチを正確に測定するための3つの手順を解説します。

ピッチゲージを使って最も確実に測定する手順

ピッチゲージは、ねじ山のピッチを測定するための専用工具で、最も簡単かつ正確に測定できる方法です。
様々なピッチサイズに対応した薄い金属板(ブレード)が束になっており、測定したいボルトのねじ山にブレードを当てて使用します。
光が漏れることなく、隙間なくぴったりと合うブレードを探し、そこに刻印されている数値がそのボルトのピッチです。

直感的に適合サイズを見つけられるため、作業の頻度が高い場合は一つ持っておくと非常に便利です。

ノギスでねじ山の頂点と頂点の間隔を測る方法

ノギスを使えば、ピッチを数値で直接測定することが可能です。
ノギスのジョウ(くちばし)の先端を、隣り合うねじ山の頂点と頂点に正確に当てて、その間の距離を読み取ります。
この方法は手軽ですが、ジョウの先端が太いため山の頂点に正確に当てにくく、少しのズレで誤差が生じやすいという欠点があります。

特にピッチが細かいねじの測定は難易度が上がります。
複数回測定して平均値を取るなど、慎重な計測が求められます。

【道具がない場合】ねじ山10個分の長さを測って計算する方法

ピッチゲージやノギスがない場合、定規を使って簡易的に測定する方法があります。
まず、ボルトのねじ山に定規を当て、キリの良い目盛りの位置からねじ山の数を数えます。
例えば、10個分の山の長さを測り、その数値を10で割ることで、1山あたりのピッチを算出します。

山の数が多ければ多いほど、測定誤差は小さくなります。
最初の山の頂点を「0」として数え始めるのではなく、次の山を「1」と数える点に注意が必要です。

知っておくと役立つ!並目ねじと細目ねじの違いと見分け方

ボルトのピッチには「並目」と「細目」という2つの主要な種類が存在し、それぞれ特性が違うため、用途によって使い分けられます。
ねじ山の細かさが違うだけに見えますが、この違いが強度や緩みにくさに大きく影響します。
適切なボルトを選ぶためには、両者の特徴と見分け方を正しく理解しておくことが重要です。

強度や緩みにくさが変わる!並目と細目の特徴と適切な選び方

並目ねじはねじ山が大きく谷が深いため、一つ一つの山の強度が高く、一般的な締結に適しています。
一方、細目ねじはねじ山の谷が浅い分、ボルトの芯の断面積(有効断面積)が大きくなります。
これにより、ボルト自体の引張強度や疲労強度が高まります。

また、ピッチが細かいことで緩み止め効果が高く、振動する箇所や精密な調整が必要な部分、薄い鋼材への締結に選ばれます。
強度を優先する場合は細目、作業性や汎用性を重視する場合は並目が適しています。

見た目だけでは困難?並目と細目を判断する際のポイント

並目ねじと細目ねじを並べて比較すれば違いが分かることもありますが、単体で見た目だけで正確に判断するのは非常に困難です。
特にM8やM10といったよく使われるサイズでは、その差はわずかです。
最も確実な判断方法は、ピッチゲージを使って測定することです。

また、購入時の製品パッケージや仕様書には「M10×1.25」のように「呼び径×ピッチ」が明記されているため、必ず確認します。
既存のナットにスムーズに入るかで簡易的に判断することもできますが、少しでも抵抗がある場合はピッチが違う可能性が高いです。

【要注意】ピッチが合わない原因?メートルねじとインチねじの違い


手持ちのボルトとナットのピッチが合わない場合、並目と細目の違いだけでなく、そもそもねじの規格体系が異なる可能性があります。
日本国内ではメートルねじが主流ですが、海外製品や一部の機械では「インチねじ」が使われていることがあります。
これらは単位系が根本的に異なるため互換性はなく、無理に締めようとすると破損の原因になります。

ユニファイねじ・ウィットねじとの見分け方

インチねじには主に「ユニファイねじ」と「ウィットねじ」の2種類があります。
見分けるポイントはピッチの表記とねじ山の角度です。
メートルねじが「山と山の距離(mm)」でピッチを表すのに対し、ユニファイねじなどのインチねじは「1インチ(25.4mm)あたりの山の数」で表記されます。

また、ねじ山の角度はメートルねじとユニファイねじが60°、ウィットねじは55°です。
確実に見分けるには、インチ規格に対応したピッチゲージを使用するのが最も有効な方法です。

ボルトのピッチに関するよくある質問

ここでは、ボルトのピッチに関して多くの方が抱く疑問点について、Q&A形式で回答します。

ボルトの呼び径(M8など)だけでピッチは判断できますか?

呼び径だけではピッチを完全に判断できません。
M8には標準的な並目ピッチ1.25mmの他に、細目の1.0mmが存在します。
M10やM12なども同様に複数のピッチ規格があるためです。

一般的には並目が使われますが、確実な特定にはピッチゲージなどでの測定が必要です。

ピッチが異なるボルトとナットを無理に締め付けるとどうなりますか?

ねじ山が潰れて「かじり」や「焼き付き」と呼ばれる固着現象が起こり、取り外せなくなります。
ピッチが違うと正常に噛み合わないため、無理な力で金属同士が圧着・融着してしまいます。
一度破損したボルトとナットは再利用できず、部品の交換が必要になります。

ホームセンターで探してもピッチが合うボルトが見つからない時はどうすれば良いですか?

ねじの専門店や機械工具を扱う商社、オンラインストアを利用するのが最適です。
ホームセンターは一般的な六角ボルトやキャップボルトが中心ですが、専門店であれば特殊な細目ピッチや寸切り(全ねじ)、各種材質・形状のボルトも入手可能です。
タップでねじ穴を作り直す方法もあります。

まとめ

ボルトのピッチは、ねじ山の頂点間の距離を示す重要な寸法です。
国内で標準的なメートルねじには、一般的に使われる「並目」と、緩み止め効果や強度に優れる「細目」の2種類が存在します。
手元のボルトの規格を特定するには、ピッチゲージやノギスを用いた正確な測定が欠かせません。

また、ピッチが合わない原因として、海外製品で使われるインチねじの可能性も考慮する必要があります。
これらの違いを正しく理解し、適切な規格のボルトを選定することが、安全で確実な締結作業の基本です。


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