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単管クランプの種類一覧|使い方・価格・強度まで足場プロが解説

単管クランプは、単管パイプを使った構造物作りにおいて欠かせない金具です。
しかし、直交や自在といった基本的なものから特殊なものまで単管クランプの種類は多岐にわたり、適切な使い方や強度、価格もそれぞれ異なります。

この記事では、DIYからプロの現場作業まで、目的に合った単管クランプの選び方から、安全な使い方、価格相場、強度までを網羅的に解説します。

単管クランプとは?単管パイプを連結するための基本金具

単管クランプとは、単管パイプ同士を連結したり、単管パイプに他の部材を取り付けたりするための専用の金具です。

建設現場の足場をはじめ、農業用のビニールハウス、作業小屋、DIYでの棚や柵など、パイプを組んで作る様々な構造物に使用されます。

「単管用クランプ」とも呼ばれ、パイプを挟み込んでボルトを締め付けることで、強固な固定を実現します。

【基本】単管クランプの代表的な2つのタイプ

単管クランプには多くの種類がありますが、基本となるのは「直交クランプ」と「自在クランプ」の2つです。
これらはパイプを連結する角度によって使い分けられ、あらゆる単管パイプ構造物の基礎となります。
まずはこの2つの特徴と用途の違いを理解することが、クランプ選びの第一歩です。

直交クランプ|パイプを90度にしっかり固定する

直交クランプは、2本の単管パイプを90度、つまり直角に固定するためのクランプです。
本体が一体型でリブ(補強)が入っているため強度が高く、主に足場の建地(垂直方向のパイプ)と布地(水平方向のパイプ)の結合など、構造の骨格となる部分で用いられます。

パイプをガッチリと90度に固定したい場合に最適で、ねじれやズレが生じにくいのが特徴です。

自在クランプ|パイプを好きな角度で自由に固定する

自在クランプは、2つのクランプがリベットで連結されており、接合部が回転する構造になっています。
これにより、2本の単管パイプを任意の角度で自由に固定することが可能です。
足場の筋交い(斜め方向の補強材)や、フェンスのコーナー部分、屋根の骨組みなど、直角以外の角度でパイプを連結する必要がある場所で活躍します。

設計の自由度が高まるのが大きなメリットです。

【用途別】特殊な単管クランプの種類を紹介

基本的な直交・自在クランプの他にも、特定の用途に特化した様々な単管クランプが存在します。

例えば、パイプの末端にキャスターやフランジを取り付けるもの、ネットやフェンスを張るためのフックが付いたもの、ロープをかけるためのリング付きのものなど多岐にわたります。

他にも、チェーンや親綱を固定するタイプ、手すり用、万力のように使えるもの、コの字の金物で引っ掛けるタイプなど、用途に合わせて選ぶことで作業の幅が大きく広がります。

3連クランプ|2本のパイプを交差させて連結する

3連クランプは、直交クランプが2つ並んだような形状をしており、2本のパイプを平行に並べ、それらと交差する形で1本のパイプを固定するために使用します。
「2連クランプ」や「複クランプ」とも呼ばれます。
主に、足場の建地を2本並べて補強(抱き合わせ)する際や、2本の単管パイプを並行に配置して強度を高めたい場合などに用いられます。

垂木止めクランプ|単管パイプに垂木を固定する

垂木止めクランプは、その名の通り、単管パイプに垂木などの木材を固定するための専用クランプです。
「垂木クランプ」とも呼ばれ、片側がパイプを掴む形状、もう片側が木材をネジで固定する形状をしています。

主に仮設の屋根や、ビニールハウスの骨組み、DIYで単管パイプの棚に木の天板を取り付ける際などに使用され、パイプと木材を簡単に接続できる便利なアイテムです。

鉄骨クランプ(キャッチクランプ)|H形鋼などの鉄骨にパイプを固定する

鉄骨クランプは、H形鋼やI形鋼といった鉄骨のフランジを挟み込み、単管パイプを固定するためのクランプです。
「キャッチクランプ」という名称でも知られています。
建設現場で、鉄骨造の建物に先行足場や安全設備を取り付ける際に不可欠な金具です。

鉄骨の厚みに合わせて調整できる構造になっており、溶接などをせずにパイプを強固に取り付けられます。

板止めクランプ|足場板やコンパネをパイプに固定する

板止めクランプは、足場板やコンパネ(コンクリート型枠用合板)などの板材を単管パイプに固定するために使われます。
板を上下から挟むような構造になっており、ネジを締めることでしっかりと固定します。

足場の作業床を設置するほか、工事現場の養生シートを貼るための下地としてベニヤ板を固定したり、仮囲いを設置したりと、対応する板の幅に応じて様々な場面で活用されます。

単クランプ(片締めクランプ)|壁面などへの固定に使う

「単クランプ」という製品名は広く認知されており、一部のサプライヤーでは「単クランプ」として単管パイプを固定するための製品が提供されています。

これらは、単管パイプを1本だけ固定する際に使用され、主に壁面や他の構造物へパイプを取り付ける目的で用いられます。

クランプのベース部分には通常、穴が開いており、そこにボルトを通して固定するのが一般的な方法です。
単管パイプの端部を壁や床に安定して固定したい場合に便利な製品と言えるでしょう。

失敗しない単管クランプの選び方3つのポイント

単管クランプを選ぶ際には、用途や安全性に関わるいくつかの重要なポイントがあります。
種類が豊富なため、どれを選べば良いか迷うことも少なくありません。
ここでは、クランプ選びで失敗しないために押さえておくべき3つのポイントを解説します。

素材もドブメッキが一般的ですが、用途によりステンレスやアルミ製も存在します。

ポイント①:作りたいものや固定する角度で種類を選ぶ

最も基本的なポイントは、作りたい構造物やパイプを固定したい角度に合わせてクランプの種類を選ぶことです。

骨組みを直角に組むなら「直交クランプ」、斜めに補強を入れるなら「自在クランプ」が基本です。
木材を取り付けるなら「垂木止め」、鉄骨に固定するなら「鉄骨クランプ」といったように、用途が明確な場合は専用のクランプを選びましょう。

中には直交と自在の機能を併せ持つ兼用タイプもあります。

ポイント②:パイプの直径(φ48.6mmなど)に合うサイズを選ぶ

単管クランプは、使用する単管パイプの直径に合ったサイズを選ぶ必要があります。
日本国内で一般的に流通している単管パイプの寸法は、直径が48.6mmです。

ほとんどの単管クランプはこのサイズに合わせて作られていますが、中には直径25mm、34mm、42.7mmなどの細いパイプ用のクランプも存在します。

購入前には必ず使用するパイプのサイズを確認してください。

ポイント③:仮設足場に使うなら「社団法人仮設工業会認定品」を選ぶ

DIYでの利用と異なり、建設現場で作業員の命を預かる仮設足場として単管クランプを使用する場合は、必ず「社団法人仮設工業会認定品」を選んでください。

この認定品は、定められた強度や安全性の規格をクリアした製品であり、信頼性が保証されています。
ホームセンターで安価に販売されているものの中には、足場用としての使用が認められていない製品もあるため、信頼できるメーカーの認定品かどうかの確認が重要です。

【初心者向け】単管クランプの正しい使い方と締め方の手順

単管クランプを安全かつ効果的に使用するためには、正しい使い方と締め方の手順を守ることが重要です。

まず、クランプのボルトを少し緩め、固定したい単管パイプを2本はめ込みます。
次に、クランプの位置を調整し、仮締めを行います。

この時、左右のナットを交互に少しずつ締めていくのがポイントです。
最後に、ラチェットレンチなどの工具を使用し、適切な力で本締めを行って完了です。
この基本的な使い方をマスターすることが、安全な構造物作りの第一歩となります。

事故を防ぐ!単管クランプ使用時の5つの重要注意点

単管クランプは正しく使えば非常に便利な金具ですが、使い方を誤ると重大な事故につながる危険性があります。
特に高所作業である足場の組み立てなどでは、クランプの脱落や破損が命に関わる事態を引き起こしかねません。
作業前にはヘルメットや安全帯などの保護具を必ず着用し、これから解説する5つの重要な注意点を必ず守って、安全に作業を行ってください。

注意点1:ボルトが下を向く「逆さクランプ」は絶対にしない

クランプを取り付ける際、ボルトの向きが下になる「逆さクランプ」は絶対にしてはいけません。
この向きで取り付けると、工事車両の通行などで生じる振動によってナットが緩んだ場合、重力でボルトが抜け落ちてクランプが外れてしまう危険性が非常に高くなります。

クランプは必ずボルトが上または横を向くように取り付け、万が一ナットが緩んでもすぐに脱落しないようにしてください。

注意点2:ラチェットレンチやインパクトで締めすぎない

単管クランプのボルトには、適切な締め付けトルク(締め付ける力の強さ)があります。
一般的には250~350kg/cmが適正とされています。
ラチェットレンチや特に電動のインパクトドライバーで締めすぎると、ボルトが伸びたり、ねじ切れたり、クランプ本体が変形・破損したりする原因となります。

力の加減が難しい場合は、設定したトルク値で締められるトルクレンチの使用が理想的です。

注意点3:サビや変形がある古いクランプは使用しない

使用前には必ずクランプの状態を確認し、著しいサビや変形、亀裂などがあるものは使用しないでください。

特に中古のクランプは、見た目では判断しにくい金属疲労が蓄積している可能性もあります。
サビや変形はクランプ本来の強度を低下させ、荷重がかかった際に突然破損するリスクを高めます。

表面の塗装が剥がれている程度なら問題ない場合もありますが、少しでも異常を感じたら使用を避けるのが賢明です。

注意点4:許容荷重を超える使い方をしない

それぞれの単管クランプには、安全に使用できる荷重の限界値が定められています。
例えば、JIS A 8951-1995「鋼管足場」の「緊結金具の強度」に関する表2では、直交型クランプの最小引張強さが1,500kgf、自在型クランプの最小引張強さが1,000kgfと記載されています。

これらの荷重を超えて資材を置いたり、人が乗ったりすると、クランプが破損・変形し、足場の倒壊などの大事故につながる可能性があります。
構造物を設計する段階で、かかる荷重を計算し、安全率を考慮した上で使用してください。

注意点5:クランプのナットは交互に少しずつ締める

クランプを固定する際、2つあるナットの片方だけを一度に最後まで締め付けてはいけません。
片側だけを強く締めると、クランプ本体が傾いてしまい、パイプを均等な力で掴むことができず、十分な固定力が得られません。

左右のナットを交互に、少しずつ均等に締めていくことで、クランプがパイプに対してまっすぐに取り付けられ、本来の性能を最大限に発揮できます。
このひと手間が安全性を大きく左右します。

単管クランプの強度(許容荷重)はどのくらい?

単管クランプの強度は、クランプの種類によって異なり、その強度を示す指標には、JIS規格に基づいた「許容荷重」などがあります。
JIS A 8951-1995の「仮設機材認定基準」に示されている緊結金具の強度に関する表では、直交型クランプの最小値が1,500kgf、自在型クランプの最小値が1,000kgfとされています。

ただし、これらの数値はあくまで規格上の最小値であり、メーカーや製品の規格によって実際の強度は異なる場合があります。

正確な数値を知りたい場合は、必ず購入する製品のメーカーが公表しているカタログや仕様書を確認することが重要です。
特に安全性が求められる用途では、設計荷重を計算した上で余裕を持った選定が不可欠です。

単管クランプに関するよくある質問

ここでは、単管クランプについて特に多く寄せられる質問にお答えします。

DIYで棚を作る場合、どのクランプを選べば良いですか?

単管パイプで骨組みを作るなら直交クランプ、パイプに木材の棚板を固定するなら垂木止めクランプが最適です。
組み合わせることで、頑丈でおしゃれなインダストリアル風の棚が作れます。
用途に合わせて適切な種類を選ぶことが、満足のいくDIYにつながります。

単管クランプを締めるのに最適な工具は何ですか?

一般的な単管クランプのナットは対辺17mmの六角形のため、17mmのラチェットレンチが最も作業効率が良く最適です。
メガネレンチやソケットレンチも使用可能です。
インパクトレンチは締めすぎによる破損の恐れがあるため、特に初心者の方は手動の工具を推奨します。

中古の単管クランプを使っても安全上の問題はありませんか?

中古品の利用は、製品の状況や使用環境を考慮して判断することが重要です。
外見からは判断が難しい金属疲労、内部のサビ、変形などが生じている可能性があり、新品と同等の強度が期待できない場合があるからです。

特に人命に関わる用途で使用する際は、製品の品質基準と安全性を十分に確認し、適切な選択を行うことが不可欠です。

まとめ

単管クランプは、基本的な直交・自在タイプから用途別の特殊なものまで、多岐にわたる種類が存在します。

構造物を作る際は、まず固定したい角度や部材に合わせて最適なクランプを選び、使用するパイプのサイズに適合するかを確認します。
そして最も重要なのは、逆さクランプの禁止や締めすぎ防止といった安全上の注意点を守り、正しく施工することです。

特に仮設足場など人命に関わる用途では、必ず仮設工業会認定品を選択してください。

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