キャップスクリュー(ハステロイC276相当)

キャップスクリュー(ハステロイC276相当)とは

キャップスクリュー(ハステロイC276相当)は、高耐食性合金「ハステロイ（Hastelloy）」相当材から作られたキャップスクリュー（六角穴付きボルト）のことを指します。

一般的な鉄製やステンレス製のキャップスクリューでは対応しきれない、極めて過酷な腐食環境下での締結部品として使用されます。

そもそも「キャップスクリュー」とは、頭部に六角形の穴が開いたボルトの一種で、いわゆる「六角穴付きボルト」または「ソケットスクリュー」とも呼ばれるものです。

ヘッド部分にレンチを差し込んで回すため、周囲にスペースが少ない場所でも使いやすく、機械装置や構造物において広く利用されています。

一方のハステロイ材は、ニッケルを主成分とする超合金であり、モリブデン、鉄、クロム、コバルトなどを組み合わせた合金です。

中でも、耐酸性・耐塩素性・耐熱性に優れており、塩素ガスや酸性ガス、有機酸などの腐食に対して非常に強い特性を持っています。

そのため「ボルトの中でも最強クラスの耐食性をもつ締結部品」といっても過言ではありません。

キャップスクリュー(ハステロイC276相当)の用途

キャップスクリュー(ハステロイC276相当)は、その極めて高い耐食性ゆえに、通常のステンレス鋼では腐食してしまうような過酷な環境で用いられます。

 
主な用途は以下のとおりです。

化学プラント・薬品製造設備

酸や塩基、有機溶剤などを多用する化学プロセスラインでは、金属の腐食が重大な問題となります。

ハステロイは硫酸・塩酸・リン酸・有機酸などに対して非常に高い耐食性を持つため、配管フランジやポンプ、熱交換器の組立に使用されるキャップスクリューとして最適です。

特に、ハステロイC-276やC-22といったグレードは、広範囲の化学物質に耐えることができます。

海洋構造物・海水設備

海水には塩化物イオンが含まれており、通常の金属では孔食や応力腐食割れが起こりやすくなります。

ハステロイキャップスクリューは、高い耐塩化物性を活かして、海洋プラットフォーム、海水淡水化装置、港湾設備などの締結部品として使われます。

長期間の耐久性が求められる現場で特に重宝されます。

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